大腸がんの基礎知識

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大腸がんとは

大腸がんとは、名前の通り大腸に発生するがんのことです。日本で大腸がんが増加している理由は、食生活の欧米化が原因と考えられています。動物性の脂肪を摂取すると、消化をサポートするために、胆汁酸が分泌されます。その際に発生する物質の中に、発がん性物質が含まれているため、日本で大腸がんが増加しているのです。大腸がんは、がんが発生する部位によって結腸がんと直腸がんの2つのタイプに分けることができます。上行結腸や横行結腸、下行結腸などの結腸にできるのが「結腸がん」で、大腸にできると「大腸がん」となります。早期の段階では自覚症状はありませんが、進行してくると血便や下血、お腹の張りなどの症状が現れます。血便の症状を痔と勘違いして放置する人も多いですが、早期発見のために血便が出たら、消化器科や胃腸科で検査を受けましょう。

患者数

大腸がんの患者数は、厚生労働省が実施している平成26年の患者調査によると、26万1000人となっています。性別に見ると、男性15万人、女性11万1000人という結果になります。この結果を見てわかる通り、男性は女性よりも大腸がんになりやすいです。また、罹患率だけではなく死亡率も男性が高いので、特に男性は大腸がんに気をつけなければなりません。大腸がんを早期の段階で見つけるには、大腸がん健診を受けることが大切です。特に40歳を過ぎて大腸がんになる人が急増するので、40歳以上の方は年に1度大腸がん健診を受けるようにしましょう。大腸がん健診では、まず便潜血を行ないます。その検査で陽性の結果が出た場合は、精密検査を行ない、陰性という結果が出た場合は1年後に再度健診となります。便潜血検査とは、便に混じった血液の有無を調べる検査です。検査方法は、採便棒で便の表面をこすりとり、検査機関に送るだけです。検査をするのが面倒と感じる方も多いですが、大腸がん健診を受けることで、大腸がんで死亡する確立を60%以上も減らせるという調査結果が報告されています。自分の命または家族の命を守るためにも、大腸がん健診の大切さを知っておきましょう。

治療方法

大腸がんと診断された場合は、早急に治療を行なう必要があります。主な治療法は、内視鏡治療、外科手術、化学療法、放射線療法などです。どのように治療するかは、がんの進行度によって決められます。基本的には、科学的根拠にもとづいて効果の高さが認められている標準治療を行ないます。ステージ0とⅠの段階の場合は、粘膜下層まで深く入り込んでいないので、内視鏡治療が考慮されます。ステージⅠでも粘膜下層に深く入り込んでいる場合や、ステージⅡ~ステージⅢの場合は、外科手術、抗がん剤を使用するアジュバント療法、放射線療法などを行ないます。ステージⅣでは、できるだけ手術でがんを切り取り、手術ができない場合は化学療法や放射線療法を行ないます。化学療法を始める前に知っておきたいのが、抗がん剤の副作用についてです。抗がん剤を投与した初日から、吐き気や嘔吐などの副作用が出て、投与後2週間~4週間になると脱毛や手足のしびれなどが起きます。様々な辛い副作用がありますが、軽減する方法などもあるので、暗い気持ちにならずに乗り越えていくことが大切です。

大腸がんに備える

大腸がんは、患者数と死亡者数が急増しているので、「自分は関係ない」と思わないようにしましょう。便潜血検査は、40歳以上を対象に各自治体で行なっているので、案内が届いたら受けたほうが良いです。